温泉と観光(1)白馬 「山とスキーと温泉」
小生の日本周遊の記録は、神奈川・厚木を出発、山梨、長野、新潟から日本海沿岸を北上し青森県の大間に到って一旦筆を止めた。
これまでは主に、地域の歴史的意味合いを掘り下げて述べてきたきたが、次に振り返って小生が訪ねた「温泉や絶景」について記していきたい。
先ずは、小生の第二の居住まいである「白馬」から。
小生自宅(別宅)からすぐ前の「白馬三山」の絶景
斜面は「八方尾根」(12月初)
「白馬村」は信州・長野の最北部に位置し、西側山岳部は三千米級の北アルプス北部が連なる。 名峰「白馬岳」の白馬三山、五竜岳、唐松岳などに代表される山並みは、全国から登山者が耐えない。
又、そこから伸びる八方尾根、遠見尾根、岩岳などの山腹には、わが国を代表するスキー場が南北に連なる。
白馬の豊かな自然は四季を通じて多くの人達を魅了し、冬のスキーシーズンはもちろんのこと、春から夏、夏から秋と自然の豊かさを実感させてくれる。
更に、多くの山愛好者を誘う山岳地は、山容はもちろん高山植物の宝庫で種類の多さ、群生の素晴らしさ、貴重さはどれをとっても郡を抜いている。
「高山植物」について・・、
参考までに学術上も価値の高いものとして、1952年(昭和27年)に白馬岳周辺の高山植物群は国指定の特別天然記念物に指定されている。
つまりこれはこの山そのものが特別天然記念物であり、特別保護地区であると言うことである。
因みに、高山植物群落が特別天然記念物に指定されているのは、北海道・日高山脈襟裳国定公園の「アポイ岳」、岩手県・「早池峰山」(はやちねさん)、と全国でも三カ所のみである。
特に、冬期の白馬村は、日本海からの寒気が山岳地に当って大量の降雪をもたらし、山麓に派生する八方尾根、五竜遠見、岩岳などの白馬山域には大小のスキー場が点在する一大エリアになっている。
2002年には冬季・長野オリンピックの会場になり、あのジャンプ競技の感動的シーンは今も脳裏に残る。
春夏秋冬、自然を満喫できる白馬であるが、豊かな温泉が湧出していることは余り知られていない。 日本でも有数のアルカリ度を有する無色透明の「白馬八方温泉」、又、2,500万年もの間、フォッサマグナに封じ込められていた湯は、空気に触れた瞬間に褐色に変色する効能たっぷりの湯・「塩の道温泉」など、白馬には数種の完全源泉掛け流しの天然温泉がある。
私事であるが、若い頃より山やスキーを楽しんできたが、熟年の今日やはりというか「温泉」も恋しくなったのである。
こんな「山とスキーと温泉」の大自然を求め続けて、近年やっと白馬村・深空地区に別宅を構えることができたのであった。
小生もお気に入りの当地の温泉の一つ、塩の道温泉「倉下の湯」もその一つ。
「塩の道温泉」とは、2,500万年もの間フォッサマグナに封じ込められていた古代の海水が、凝縮されて眠っていた湯が噴出したもので、湯は空気に触れると酸化されて茶褐色に染る特徴がある。
塩の道という名前が示すとおり、一般の温泉の10倍もの塩分が含まれているといい、 倉下の湯は適温の「源泉掛け流し」の露天専用の湯船(冬季は透明シートで囲われる)で開放感は抜群である。
ナトリウム一塩化物・炭酸水素塩温泉で特に塩分が多く含まれているので体は芯から温まり肌にいいと好評である。
白馬塩の道温泉の外湯は、「倉下の湯」、「ガーデンの湯」、「岩岳の湯」、「エコーランドの湯」等があるが、「倉下の湯」から噴出した源泉は、配湯車で宿泊施設にも配られているようだ。
又、白馬には、もう一種の天然温泉がある。
「白馬八方温泉」で無色透明のアルカリ性単純温泉で、特徴的なのが、PH値11.28の全国トップレベルの強アルカリ性温泉である。
お湯は無色透明の無臭であるが、つるつるとして弱い石鹸を使っているような感触がある、これが強アルカリ泉の特徴であろう。
このアルカリ泉は「美人の湯」とも呼ばれて、刺激が強すぎて肌の弱い人はがカサカサになるような印象があるが、水の粒子が大変細かく浸透性が良く、非常にバランスのとれたお湯といわれる。特に女性の方は化粧のノリが良いということで、気がつかれる方が多いようである。
白馬八方温泉の源泉は、源泉温度50.2度、上流の「おびなたの湯」から更に山に上がった八方山塊の麓の蛇紋岩質の岩場から湧き出している微粒子温泉である。
アルカリ質が余分な皮脂を取り去り、そのため肌の水分を余分に剥ぎ取ることなく易しく洗い流し、お風呂上がりがとても滑らかになる。
お湯は、「美白を作るアルカリ泉」で美人の湯とも呼ばれている所以である。
「白馬八方温泉」は共同湯は、「おびなたの湯」(露天専用)、「みみずくの湯」、「第一郷の湯」、「第二郷の湯」の4箇所あるが、何れも配管で高温性の源泉がザブザブ供給されている。
又、湯場近くに2箇所の「足湯」もある。
次回は、笹川流れと温海温泉
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