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日本周遊紀行(83)噴火湾 「長万部」
長万部に至っている・・、「長万部」・・?、「オシャマンベ」と読む。
幼少の頃、親父に新聞記事か何かを見て、「この字なんて呼ぶの・?」、「オシャマンベだよ、北海道の地名で、たぶんアイヌ語だろう」、こんな会話を記憶している。
長万部は、蝦夷・北海道らしいアイヌ語で面白い呼名だなーと、かねがね思っていたが、当たらずとも遠からずであった。
「長万部」は昔,長万部川の河口付近にヒラメが豊富に生息していたため,アイヌ語で「オ・シャマンベ」(ヒラメのいる所)と呼んでいたもの。 これをもって元治元年,箱館奉行が「長万部」と名付けることを命じたらしい。 長万部は「ひらめ」かー・・!!。
長万部は昔から交通の要衝として栄えてきた。
渡島半島の付け根に在り、日本海側の漁場に通じる交通上の要(かなめ)であり、ここから往来するのが最短で便利であった。
江戸後期~明治初期にかけては黒松内道も完成し、鰊漁場として人々を集めて日本海の寿都(すっつ)へ向け多くの人々が歩いてたという。 当時長万部を巡視に訪れた松浦武四郎(北海道の父・北海道の名付親)の記録にも『山越内は大変な人で、人別改めで日によっては1万人にもおよび、長万部までの海浜は一条の蟻道のごとく黒くなって絶え間なく人が行きあった』と書かれたほどだという。
現在は、道路が小生が通ってきた国道37号と内陸道の国道5号、鉄道が室蘭本線と内陸の函館本線が函館を起点として、この長万部で分岐している。
更に道央自動車道は平成9年に、この長万部を起点として開通している。
長万部町中心街から北西方向の奥約20kmの地点、町民の 「ふるさとの山」、道内岳人にも人気のある長万部岳(972m)が聳える。 東斜面は急峻で山形もよく、高山の風格があるといわれるが・・、山のことではない、温泉のことである。
この長万部岳の東麓・二股川の上流に北海道でも有名な秘湯の一つでもあ「二股ラジウム温泉」がある。温泉の泉質は特異で、炭酸カルシウムが大量に含まれ、それによって巨大な石灰華(石灰の湯の花)ができている。 この石灰華の上に明治時代に開かれという古びた湯治宿がある。
一軒宿の温泉で周囲は深い原生林に囲まれ、今でも重い病気の治療のために熱心に湯治する人がいるという。 湧出する温泉は純度の高い鉱泉水で炭酸カルシウムが大量に含まれ、その沈殿物である温泉湯華によって雄大な大積層が築かれ、巨大なドームが形成されている。
この種の温泉湯華は世界中でも珍しく、アメリカの国立イエローストン公園のマンモス温泉郡と二股温泉の二ヶ所のみと云われており、大正9年に東京大学の脇水教授によって初めて科学的に調査研究され、実証されたといいう。
「石灰華」は温泉水に含まれた炭酸石灰成分が湧出によって温度、圧力が下がり沈殿したものといわれ、ドームは非常に巨大で長さ400m、幅200m、厚さ25mもあるという。 濃度の濃い温泉の特質として、浴室はいたるところが赤褐色になっていて手すりの鉄パイプや桶まで湯華がつき、浴槽にも分厚く湯華がついていると。 温泉の色も濃い褐色を呈し、タオルなどもすぐに茶色に染まってしまうとか。 源泉の温度は50度であるが、浴槽温は温めなので湯治向きには最適といえよう。
泉質は含ラジウム炭酸カルシウム泉、結晶の湯の華は各地へ持ち込んで、温泉として利用されているともいう。
長万部からの国道5号は、「噴火湾」を左に見ながら気持ち良い直線道路である。
しかし交通の要所だてあって車の量はさすがに多い、よそ見油断はならぬ・・!、それでも思わず、この海を唄った鳥羽一郎の「北斗船」を口ずさむ。
『北斗船』 鳥羽一郎 唄
みぞれまじりの しぶきを頭から
浴びて乗り出す 噴火湾
海は荒れても 行かねばならぬ
今年六十の お袋さんに
ハワイ旅行が させたくて
内浦湾を別名「噴火湾」というのは、北に有珠山、南にこれから向かう大沼・駒ケ岳、亀田半島先端の恵山の火山群を要しているからとか。
明治時代に当地を訪れた英国人船長が、湾を取り囲む北海道駒ヶ岳や有珠山などの火山を見て「これはVolcano Bay=噴火湾だ」と語ったことに由来するといわれる。
次回は、八雲、森町
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