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日本周遊紀行(62)別海 「根釧原野」
野付半島から再び国道244へ戻ると間もなく別海町に入った。
この海道は野付国道、別名「北方ロード」ともいう。 何も北国にあるから北方ではなく北方領土の「北方」なのである。
成る程、国道の傍らから時折、彼方に大きく横たわっている国後島が傍観できる。
暫く行くと国道の傍らに「別海北方展望塔」があつた。 広々とした駐車場が有って、そこに北方領土返還要求運動の高揚を期するために建てたのであろう、『四島への道・叫びの像』がある。
『北方四島は俺達のもんだ・・!!早く還せ・・!!』 と叫んでいるようである。
この像は山形在住の実業家・鈴木博六氏が北方領土返還要求運動に情熱を込めて像を建立、町へ寄贈したものであるという。
博六氏は、あの・・”デンデンデン、デン六豆、うまい豆・・”のコマーシャル・ソングでお馴染みの製菓会社で知られる、「でん六豆」の創始者であった。
無論、展望塔からは野付半島やオホーツク海に浮かぶ北方領土・国後島が一望でる。
更にR244の海岸線を南下する。
先程まで微かに遠望できた知床連山から派生している山並みは、すっかり姿を消し右手内陸方向は大平原地帯になっていた。
平原といっても「マッサラ」ばかりでなく、起伏のある丘陵地、森林帯、草原帯と変化に富んでいる。
この大平原地帯を「根釧原野」(こんせんげんや)と呼んでいるようである。
この原野はいかにも北海道らしいというか道内でもでも最大級の広大さで、そのエリアは釧路より東部地域、阿寒から知床へ連なる高原、山岳地帯より南部地域一帯を指しているという。
因みに、この「根釧原野」(こんせんげんや)を地理上で観てみると・・、
釧路湿原を含むその東側である阿寒から知床へ至る山々より南側の平地、丘陵地帯を指し、その「原野」を景観で見ると海岸から内陸へ向かって大きく「海岸草原」、「森と湿原」そして「牧草地」との三つの各層に分けられるという。
尤も、「根釧原野」と呼ぶとき使われる「原野」について北海道では、未開拓地や開拓まもない土地を明治時代以降に「原野」と呼んで来ている場合が多い。
特に釧路地方,根室地方の「原野」については人の手が入った二次林や森林伐採後でできた草原の部分と原始林、湿原や湖沼等の未開地の部分の両面をも指さしているようである。
つまり、原野といっても完全な原野ではなく、既に人の手が入った状態のものも「原野」と呼んでいるようである。
ここで「根釧原野」における各様相を地域的にみると・・、
先ず『海岸草原』とは花咲半島から落石岬(根室市)、恵茶人からホロト(浜中町)、湯沸岬(浜中町)、涙岬(浜中町)、尻羽岬(釧路町)などに見られる景観で、主に北太平洋シーサイドラインと呼ばれている道道の周辺にて良く見られる。
『森』とは、東から根室の温根沼西部に拡がる温根沼国有林、霧多布湿原西部から火散布沼、藻散布沼、厚岸湖を囲む厚岸道有林、別寒辺牛川中流にあるパイロット・フォレスト(パイロットファーム:実験農場、と同じ意味合いで、昭和31年頃から国策で進められた大規模造林地のことで場所は厚岸町の奥 標茶町との境あたりを指す)、上尾幌周辺に拡がる尾幌国有林などが森林景観として見て取れる。
『湿原』とは、湖沼や湾が自然に埋め立てられた湿原と河川流域湿原がある。
湾・海岸に面している風連湖、温根沼、火散布沼、厚岸湖などの周辺にある湿原や霧多布湿原は前者であるが、河川の中上流域に広がる流域湿原は広大で釧路湿原、厚岸湖に注ぐ別寒辺牛川(べかんべうし)、上流域に拡がる別寒辺牛湿原、風蓮川流域湿原、標津湿原などである。 その河川は釧路川とその支流、別寒辺牛川、風蓮川、ヤウシュベツ川、西別川、床丹川、春別川、標津川などである。
又、『牧草地』としては主に国道44号線の北側で阿寒、知床へ続く山々の麓まで拡がり北海道は無論、日本の代表的な一大牧草地、酪農地帯を形成しているのである。
次回は、根室・「風連湖と春国岱」
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