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日本周遊紀行(116)鹿島 「鹿島神宮の祭神」
「諏訪大社」でも述べたが、「武甕槌神」(タケミカヅチ)とはどの様な神であろうか・・??
「古事記」における神話の「イザナギ」、「イザナミ」の「神産み」において、伊邪那美命(イザナミ)が生んだ火の神・火之迦具土神(ヒニカクヅチノカミ)が元でイザナミは火傷で死んでしまう。
愛する妻を失ったイザナギはその怒りから、迦具土神(カクヅチ)の首を十拳剣(トツカノツルギ:神話での剣)で斬り落としてしまう。
その時に飛び散った火神の血(赤い焔)から刀剣三神の(甕速日神:ミカハヤヒノカミ、速日神:ヒノハヤヒノカミ、それと武甕槌神:タケミカヅチ)が生まれた。
迦具土神は火雷の神ことで、雷神、剣神としての性質を持つ。
武甕槌の「タケ」は猛々しさを表し、「ミカ」は神秘的でいかめしい事を表しているとい。 ミカを「甕(土器)」と見る説もある。
記紀(古事記、日本書紀)の「国譲り神話」(大和の神が、出雲の神を屈服させ、国を奪い取る物語り)によれば、荒ぶる神々の平定のために高天原の神々を葦原中国に派遣したが、ともに大国主神に従って復命せず失敗を重ねる。
天照大神(アマテラス:伊勢神宮)は業を煮やし、そこで、天鳥船神(アメノトリフネ:息栖神社)、武甕槌神(タケミカヅチ:鹿島神宮)と経津主神(フツヌシ:香取神宮)を派遣することにした。(何れも由緒ある「東国三社」の神々)
出雲の稲佐の浜に降り立った彼らは、十拳剣を波間に突き立て、その剣先に胡座をかいて大国主神(オホクニヌシ:出雲大社)に国譲りを迫った。
しかし、大国主神は事代主神(コトシロヌシ:美保神社、恵比須神社)に、この国の全権を任せていると答えた。
武甕槌神は、天鳥船神を使って事代主神を連れ戻し、国譲りを納得させた。
しかし、それに納得しなかったのが建御名方神(タケミナカタ・大国主の子、諏訪大社)であり、暫く睨み合いが続いたが、やがて戦いへと発展してしまう。
だが力の差は歴然であった。 武甕槌神の手は氷柱や剣先に変化し、建御名方神を追い込んで行く。
建御名方神は逃げ出すが、執拗に追跡し信濃国の諏訪湖まで追いつめ、遂に屈服、服従させたのである。
それらを大国主神に伝えると、「もはや何も問題はないでしょう。この国(出雲)を差し上げます」と答えたという。
これが「国譲り神話」の一幕であるが、古代史の観点から見ると、武甕槌は元々常総の「土着神」であったとされている。
武甕槌神の鹿島神宮は、大和政権の東北遠征において重要な拠点だったことから、神話同様、重要な置位に昇格したといわれる。
鹿島神宮の分社が、東北地方に集中していることからも伺える。
武甕槌神が葦原中国平定のため派遣された際、建御名方神が、「然欲爲力競(よし、それなら力比べをしようぜ・・!)」と言った後、武甕槌神の腕を掴んで投げようとした描写がある。
武甕槌神はその際、手をツララへ、またツララから剣(つるぎ)に変えたため掴めなかった。逆に武甕槌神は、建御名方神の手を葦のように握り潰してしまい、勝負にならなかったという。
この事象が、以降の「大相撲」の起源になったとされる伝説がある。
大化改新で有名な中臣鎌足(藤原氏の祖・死の直前,天智天皇から最高の冠位と「藤原」という姓を賜った)の出身も鹿島であり、彼を祖とする藤原氏は武甕槌を氏神として篤く信仰している。
奈良期の768年に、藤原不比等(飛鳥時代から奈良時代初期にかけての政治家、天智天皇の寵臣、藤原鎌足の次男)が武甕槌神を大和の国に勧請し、春日大社の第一殿に祀った。
鹿島神宮は武芸の神としても有名で、剣術の道場にはよく鹿島大神と書いた掛け軸を飾ってある。
引き続き、「鹿島神宮」
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