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日本周遊紀行(72)大樹町 「マルセイバターサンド」
大樹は晩成・・・?、
ホロカヤントウ沼のすぐ近くに「晩成温泉」がある。 十勝地方には珍しい海岸沿いにある温泉であろう。
窓からは大平洋の大パノラマが広がっており、最近になって温泉に殺菌作用、高血圧に効果がある大量のヨードが含まれていることが判り、注目が高まっているといわれる。
温泉の名称もさることながら、この辺りの地域を「晩成」と称している。
大樹町の晩成で、これを模じって「大樹晩成」(大器晩成)にしたのではないが、 十勝・大樹地方は静岡県伊豆出身の依田勉三率いる「晩成社」(一種の会社組織)一行が明治16年に入植したのが開拓の始まりといわれ、そのためこの辺りの地名を「晩成」としたという。
一般に、北海道の開拓といえば官主導の屯田兵や旧幕府家臣によるものが主であるが、十勝、帯広一帯は一般民間人に拠るものが多く、晩成社はその一環でもある。
大樹町の「晩成温泉」はそれらに因んだ名前であり、現代に生きる人が祖先の人々に敬意を表して命名したのであろう、結構ことである。
十勝開拓のパイオニアとして知られる依田勉三氏にまつわる「晩成社史跡」が大樹町の晩成の生花苗地区にある。
サイロ跡や石碑などと共に復原された「依田勉三住居」は1893年(明治26年)に建てられたもので、切り妻様式の簡素な住居は1915年(大正4年)まで勉三が住んでいたという。
茫漠とした辺りの風景とともに往時の労苦を忍ばせる。
入植の3年後には大樹町に晩成社牧場を開いて酪農に取り組みながらバターなどの製造を開始、多くの苦難を乗り越えながら同牧場付近でさまざまな事業にも着手している。
勉三氏は大正14年、帯広の自宅で73歳の生涯を終えている。 勉三最後の言葉は「晩成社には何も残らん、しかし十勝の野には・・、」と言ったという。
因みに、北海道でも人気の高い有名な帯広・六花亭の銘菓「マルセイバターサンド」がある。 「六花亭」として社名変更した際に新登場したらしく、名前の由来は十勝開拓の祖・依田勉三が率いる晩成社が十勝で最初に作ったバター「マルセイバター」に因むものである。 包装紙は、勉三翁経営の晩成社牧場がバターを発売した当時に使ったラベルをソックリ模写したものであるという。
白地の用紙(包装用箱)に中央部が角ばった赤の図柄で、左より商品名の由来となる「成」の丸囲み文字つまりマルセイとして、○成の左右にはバとタの文字があり、中央に「MARUSEI BUTTER、MADE AT YODA BOKUJO、TOKATI HOKKAIDO JAPAN」とし、右に「マルセイバタ、依田牧場製、北海道 十勝」としてある。
当時はバターをバタと呼んでおり、包装紙にも「バタ」の表記が残る。
いずれも明治期に作られたクラシカルな絵柄の感じが良い。
「六花」(ろっか)とは、結晶が六角形であるところから雪の異称を指している。 六花亭には実際に「晩成」という名のお菓子もある。
因みに「マルセイバターサンド」は、20世紀を代表する日本の土産品でお菓子部門のアンケートでは、全国Best10の第7位にランクされているという。 小生たちが北海道を訪れた際は北海道でも名の知れた「白い恋人」が有るが、我々は「マルセイバターサンド」を好んでお土産にしている。
尚、大樹町は息子の嫁(実家は旭川市)の母の実家で、本年(平成17年)のゴールデンウイークに訪れている、詳しくは下記H・Pへ、
北海道旅行2005年
http://outdoor.geocities.jp/orimasa2007/hokkaidou2005.htm
ところで、この晩成温泉などの位置関係は地域的には「大樹町」に属しているが、ほぼ隣接して忠類村がある。
大樹町は大きな町で、西側を日高の山地を境に太平洋、更には小さな忠類村を抱くように北側の地域にまで広がっている。
現在進行中である近隣町村の合併については、隣町の豊頃町や浦幌町が合併協議を進めていたらしいが、いろいろな事由によって賛成が得られず、協議会は破談になっている。
又、虫類村は北部に隣接する幕別町と合併の話が現在進行中であるとか。 (追記、2006年・平成18年 2月6日、忠類村を編入合併している)
虫類村は太平洋の沿岸至近にありながら、地域は内陸へ向かっていて海岸に接してはいない、隣接する大樹町が忠類村を抱くように海岸線を寡占しているのである。
私的考だが地理的には忠類村は大樹町と合併すべきである、と思うのだが 、やはり何か 思惑があるのだろうか。
忠類村は道内でも最も小地域の村ではあるまいか・・?、その忠類村は1969年に日本で初めてナウマン象の化石が発掘されたことで有名になり、ナウマン象が村のシンボルにもなっているという。
次回も、大樹町は大気町・・?
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