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「広く旅をし、方々を遍歴したものだけが、知識という名の富を有している。」(詩の神・オーディン)
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日本周遊紀行(197) 城崎 「城崎温泉」 .
写真:温泉寺へ向かう「薬師橋」にて
温泉街の最も奥にある立寄り湯・「鴻の湯」
「城崎温泉」へ向かう・・、
海岸からではなく、山沿いの県道9号線を行くようだが、かなり急峻な山越えの道である。
途中、「鋳物師戻峠」(いもじもどし峠)という、何とも妙ちくりんな名前の峠があった。
城崎と竹野町との町境の峠で、一角に「もっこり」という、これ又、妙ちくりんな名前の奇岩があった。
今にも前に落ちてきそうな大岩で、全長19メートル重さ140トンもあるとか。
鋳物師戻峠のその名の由来は「その昔、京の鋳物師がこの峠で大地震に出合い頭上の大岩が揺れるのを見て恐ろしくなり、後戻りして逃げ帰った」・・、と看板に記されてある。
峠を下りきると、見通しが良くなって町並みが見え出した、城崎である。
大タニ川に沿って桜並木が風情をそそる。
これらに架かる薬師橋、月見橋も実に美観なる造りである。
湯の里通りの町並みも実にいい・・!!。
車を止めて、この風情をカメラに収める。 すると月見橋の手前「薬師橋」から芳紀なる三人の女性が、色鮮やかな浴衣風着物と駒下駄姿で、ニコニコしながらこちらにやって来るではないか・・!
「お嬢さん方、写真を一枚撮らせて頂戴・・」
「ええはヨ・・」
関西訛りの快い(こころよい)返事が返ってきた。 お互い旅のキサクさであろう。
賑やかな駅前通りから、洒落た造りの「城崎温泉駅」のまえを通り抜け、丸山川岸から今日の宿泊地・国民宿舎「玄武洞」へ向かった。
温泉街の町中で宿が取れなかったのは、チト残念であるが。
宿で湯に浸かり、夕食を頂いて小休止の後、就寝前に再度、夜の温泉街を訪ねてみた。
「湯の里通り」のボンボリ灯りの下、ソゾロ歩きの浴衣姿のお嬢さん達の他、さすがにほろ酔い客の人々も目立つ。
もっとも小生も、どちらかというと「ほろ酔い」であるが。
宿主に評判の外湯を伺っていたので、云われたままに城崎名物「外湯七湯」のうち最奥にある「鴻の湯(こうのゆ)」に出向いて見た。
外湯の中で最も古くから開けた湯で、コウノトリが足の傷を癒したことから、この温泉が発見されたという、「鴻の鳥伝説」があり、城崎温泉発祥の地だともいう。
コウノトリにちなんでか夫婦円満、不老長寿のご利益があり、幸せを招く湯とも言われるが・・?。
比較的大きな駐車場があり、すぐ前に、白壁造りで切り妻様式の純和風の素朴な建物で、落ち着いた雰囲気が嬉しい、500円の入湯料を払う。
外湯といえども大きな施設であり、気配り簿充分届いていて清潔である。
ロビーも広く明るい雰囲気になっていて、イスやテーブルもシックで感じがよい。
脱衣所は細い竹のムシロが敷かれてい心憎いほど気持ちよく、木製のロッカーがずらりと並んでいてこれまた結構広い。
入湯前から何もかもが行き届いていて、既に心が洗われている。
湯船に漬かる、既に宵も深まっているとはいえ意外に浴客が多い、中には酔客の姿もチラホラ・・、尤も小生もその内の一人なんだが。
広く大きな浴槽で湯は少し熱め、無色透明の湯でさらっとした感じで気持ちがいい。
飲食後なので長漬かりは無用、湯船の際でゆったりと体を休ませる、これだけでも温泉の癒し効果は充分である。
浴槽の前は大きなガラス窓になっていて庭園の露天風呂が眺められ、七外湯の中で唯一露天風呂が楽しめるのも魅力である。
露天風呂も内湯に負けないくらい大きさで、大きな庭石を組み合わせた岩風呂は野趣満点の雰囲気がある。
露天風呂のすぐ裏は山になっていて、吹き降ろしの風が気持ちいい。
ところで、ある好事家が「城崎七湯」の外湯人気度を調べたらしい。
それのよると、鴻の湯―76票 、さとの湯―70票、一の湯―36票 、柳湯―30票、地蔵湯―21票 、まんだら湯―11票 、御所の湯―11票、・・てな具合であったとか。
次回も「城崎温泉」
祝い・・!! 平泉地方が世界文化遺産に決定。(2011年6月)
「東北紀行2010(内陸部)」 http://orimasa2009.web.fc2.com/tohoku.htm
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