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日本周遊紀行(196) 香住 「香住海岸」 。
写真:香住海岸のインディアン島
香住港(冬のカニ漁も終わり、静かな佇まいである)
餘部をすぎて、香住の海岸も相変わらず山地のせまった半島を形造り、所謂、「おぼれ谷」(水位の上昇、又は陸地が沈降して出来た地形)や海食崖といわれる出入りのはげしい海岸線が続いている。
「鎧の袖」、「インディアン島」と称する奇妙な名前の奇岩・怪岩をはじめ、無数の洞窟、断崖、奇岩が連なる。
これら侵食海岸の風景を演出する景勝地は、地質学の上からも貴重な自然博物館ともいわれる。 多くの名勝をつくり出しているこれらの海岸は、香住東港から出ている遊覧船に乗って、海上から巡るのが実にいいらしい。
時折、小さな港へ出くわすと、出番を待つイカ釣り船が岸壁に並んでいる。
これらの海岸には東より相谷、柴山、香住、鎧、余部といった鄙びた諸港が並び、いかにも日本海側らしい長閑で、いい風景を醸し出している。
中でも香住港は、日本海側における有数の漁港・港湾となっていて、特に柴山港と二港合わせて「松葉かにの本場」と言われ、漁獲高でも境港港についで2番目という。
もっとも、今は6月の半ば(2005年)であり、カニ漁の最盛期はとっくに過ぎていて、港はいたって長閑である。
因みに、日本海で獲れるカニは通称和名で「ズワイガニ」と言うが、それぞれ水揚げされる場所で呼び名が変わるらしい。
兵庫・鳥取県は「松葉がに」、京都府では「間人(たいざ)がに」(京都北部の丹後半島の間人港〈たいざこう〉にて水揚げされるもの)、福井県・石川県では「越前がに」とも言う。
これら地場の沖合の海で捕れた「ズワイガニ」のブランド名で獲れたカニは漁獲量も少なく、北海道や外国で捕れるズワイガニに比べ、極めて高値で取引されるという。
価格は、通常で1枚一万円前後であるが、1kg以上の特特大にもなると数万円にもなるという。
カニ漁は冬の時期が本番で、日本海に面する温泉場の旅館や宿では新鮮なカニ食を求めて大勢の観光客で賑わうという。
荒々しくも、鄙びた漁港の「香住海岸」を後にして、こちらは海岸に寄り添うように市街地が並ぶ。
竹野という町並みで、砂浜が延びる穏やかな海岸線は先ほどとは対称的で美しい。
日本の渚100選にも選ばれ、砂浜は海水浴場としても、この地方の人気のスポットのようである。
竹野は、昔は交易で栄えた町で、江戸期には日本海を巡る北前船も寄航した港であった。
この先に一級河川の大河・丸山川が流れ、そこには歴史のある「城崎温泉」があって船乗り達は船を円山川に着けて、身に付いた潮を城崎の湯で洗い落としたにかもしれない・・?。
円山川には城崎の反対河岸に当たるが、今でも楽々浦湾(ささうらわん)という程よい船着場もある。
その竹野は、2005年(平成17年)4月に豊岡市、出石町、但東町、城崎町、日高町などと合併し、新たな豊岡市が発足して町名は消滅している。
そして、城崎温泉へ向かう。
次回は、「城崎温泉」
祝い・・!! 平泉地方が世界文化遺産に決定。(2011年6月)
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