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日本周遊紀行(173) 仙崎 「若き天才詩人 金子みすゞ」 、
仙崎出身の「金子みすゞ」
東日本大震災後にテレビで放送された、社団法人「ACジャパン」のCMが話題を呼んだ。
CMに使われた詩は、「こだまでしょうか」は金子 みすずの作である。
『こだまでしょうか』
「遊ぼう」っていうと
「遊ぼう」っていう。
「ばか」っていうと
「ばか」っていう。
「もう遊ばない」っていうと
「遊ばない」っていう。
そうして、あとで
さみしくなって、
「ごめんね」っていうと
「ごめんね」っていう。
こだまでしょうか、
いいえ、誰でも。
仙崎出身の童謡詩人の巨星は、26歳の若さで世を去っている・・、
この青海島は昔は砂州でつながってはいても、実際の往来は船であった。
だが、昭和40年10月に「青海大橋」が完成して通行陸続きになり、深川の土砂が堆積して出来た仙崎砂洲の先端部と青海島の王子山公園とを結んでいる。
橋からの眺望も抜群で、仙崎港と仙崎市街、王子山公園あたりの海岸線などが一望のもとに見え、青海島に突き出すような形をした仙崎市街は、まるで軍艦のようだという。
その仙崎の町は、「仙崎駅」という山陰本線の支線駅(盲腸線)が在って、本線の長門市駅間を一駅区間で結ばれているという珍しい駅でもある。
以前は、この先の仙崎港までレールが続いていたが、途中で切り取られて現在の駅になっているという。
当時の仙崎港は一大漁業基地で、水揚げされた海産物や鯨肉を山陰、山陽(美弥線)の各地へ運ばれた。そのため当時の始発列車は午前4時台という早さであったが、現在は午前6時台となっている。
又、、前回も記したが、仙崎は古くから捕鯨で成り立っていた漁師の村であった。
鯨に対する畏敬の念から鯨墓が存在する。
地元出身に天才詩人・「金子みすゞ」は鯨の供養のために、鯨法会をする地域の慣わしに感銘し「鯨法会」という作品を書いている。
自然とともに生き、小さないのちを慈しむ思い、いのちなきものへの優しいまなざしが、金子みすゞの詩集の原点とも言われ、「お魚」「大漁」などに繋がっている。
この仙崎駅・駅舎へ入って左側に「みすゞ館」というのがあり、「金子みすゞ」の各種資料が展示されている。
「金子みすゞ」の詩
『大漁』
朝焼け小焼だ
大漁だ
大羽艦の
大漁だ。
『お魚』
海の魚はかはいそう
お米は人に作られる、
牛は牧場で飼はれてる、
鯉もお池で麩(ふ)を貰ふ
けれども海のお魚は
なんにも世話にならないし
いたづら一つしないのに
かうして私に食べられる
ほんとに魚はかはいさう
「金子みすゞ」は、明治36年(1903年)山口県大津郡仙崎村(今の長門市仙崎)に生まれ、大正末期、童謡歌を主に優れた作品を発表し、西條八十に『若き童謡詩人の巨星』とまで称賛された。
しかし、昭和5年(1930年)26歳の若さで世を去っている。
みすヾが詩人として活躍したのは大正12年から昭和3年にかけて、わずか5年間ほどである。こうした短期間に500編をこえる詩がうまれた。
大正時代という時代背景は、童謡の興隆期であり、黄金時代であった。
金子みすヾが師事した西条八十をはじめ、お馴染みの北原白秋、野口雨情がいる。
大正15年、みすヾは西条の推薦をうけて、「童謡詩人会」に入会を認められた。
大正15年版、童謡詩人会編「日本童謡集1926年版」には女流ではただ一人、みすヾの「お魚」と「大漁」の詩が選ばれ掲載された。
会員には西条八十の他、泉鏡花、北原白秋、島崎藤村、野口雨情、三木露風、若山牧水など壮々たるメンバーが名を連ね、女流では与謝野晶子と金子みすヾの二人だけだった。
このとき、金子みすヾは正式に童謡詩人として天下に認められたと言ってよく時に、みすヾ23歳のときであり、もちろん最年少であった。
「みすず」に所縁ゆかりの深い駅前表通りは、「みすず通り」と呼ばれて、ほとんどの家の軒下や玄関には、「みすず」の詩を書いた板が吊るしてあり、訪れた観光客は詩的な通りに面喰らうという。
2001年、TVドラマでの女優・松たか子が「金子みすヾ」を演じている。
『明るいほうへ明るいほうへ-童謡詩人金子みすゞ』と題するTBS系列で放送されたテレビドラマで、若くして自殺した薄幸の童謡詩人・金子みすゞを描いている。
次回は、「長門」
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祝い・・!! 平泉地方が世界文化遺産に決定。(2011年6月)
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