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日本周遊紀行(161)鹿児島 「薩摩と土佐」 ,
城山の麓、鹿児島市内を見守る「西郷どん」
「薩摩には 偉大な山が 三つあり 桜に開聞 西郷どんよ」・・、
鹿児島市内から再び九州道に乗り、加治木JCTから東九州道を経て都城へ向かう。
朝方の雨模様から、今はすっかり青空の区域が広がっている。
雨で洗われたせいか、鹿児島市街の上空も澄んでいて、再び煙がたなびく桜島の勇姿が望めるようになっていた。
鹿児島の錦江湾に浮かぶ桜島は、どこから見ても雄大で美しく見るものを圧倒する。
そして、鹿児島では桜島にも引けをとらない偉大なる人物で人気者は、やはり「西郷どん」であろう。
過日、市内の名所を訪れた時に、西郷隆盛のことを記したが、「西郷と言えば薩摩、薩摩と言えば西郷」と言われる程である。
克って、土佐の竜馬は西郷を「西郷は馬鹿である。しかしその馬鹿の幅が、どれ程大きいか判らない、小さく叩けば小さく成り、大きく叩けば大きく成る」と言っている。
一方、西郷も竜馬のことを、「天下に有志あり、余多く之と交わる。然れども度量の大、龍馬に如くもの、未だかつて之を見ず。龍馬の度量や到底測るべからず」と称している。
『 薩摩には 偉大な山が 三つあり
桜に開聞 西郷どんよ 』 小生
思えば、西郷の薩摩と龍馬の土佐は共通項が多いのに気が付く。
前述した焼酎に関しては、土佐も焼酎造りが盛んで、鹿児島県のいも焼酎はともかく、土佐は栗焼酎が有名である。
土佐の高知は古来より栗の特産地で、特に四万十流域に多いと言う。
地域的には、鹿児島も高知も江戸や京から覗うと辺境・僻地である。
日本の果てといっていいほど、どちらも江戸・東京から遠い、遠すぎるのである。
江戸時代には、島津の殿様は江戸と鹿児島を片道50泊かけて参勤交代したとされ、江戸からはどれだけ鹿児島が遠いところか分かる。
だが、高知も遠さでは負けていない。本州の果てから瀬戸内海を渡ると、四国を横断する峻険な山地が控え、更に吉野川上流の大歩危・小歩危という渓谷を縫って、やっとの思いで高知に着く。
紀貫之の「土佐日記」にも記されているように、京の人が土佐に旅することは、地の端に行くような覚悟が必要だったのではないだろうか。
ところで、中央から遠いからなのだろうか、薩摩も土佐も人柄が純朴そうなイメージがあり、薩摩は「ぼっけもん」、土佐は「いごっそう」というい、男子は、とても頑固で硬派な感じは共通する。
薩摩隼人は怒ったり気合を入れる時に「ちぇすとー・・!」と掛け声を上げ、土佐人は腹が立つと「なめたらあかんぜよ・・!」と相手を威嚇する。
又、武士や藩主の間柄も共通部分が多い。
先にも記したが、薩摩武士(薩摩隼人)には城下士と郷士という身分制度があり、この間で格差、確執が激しかった。
土佐では江戸初期に山内家が土佐に入り、山内士(やまのうちさむらい・城士)と旧来の一領具足(前領主・長宗我部氏によって行われた農兵制度、後には土佐藩・郷士の別名となる)所謂、郷士との身分格差による抵抗が激しかった。
これらの相容れない競争意識が幕末、国を動かす原動力になっているのである。
これに幕末には藩主・土佐の山内氏、薩摩の島津氏ともに改革派の名君として知られる。
又、現在でも、鹿児島も高知も教育熱が高い土地であるということも共通している。
鹿児島はラ・サールや鶴丸、高知は土佐・高知学芸といった進学実績の高い名門高校も多く、高校野球も強い。
そして何といっても、鹿児島と高知は歴史を変えた一大地域である。
なにしろ鹿児島は西郷、高知は龍馬の出身地で、彼らが成し遂げた大業は革命であり、その後の近代日本の国家百年の運命を決定づけ、日本史を変えた両雄であることは言を待たない。
次回は、「都城」
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