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日本周遊紀行(182)出雲 「日本人と藁」 、
引き続き、注連縄に絡んだ「藁」(わら)について・・、
序ながら、昨今、都会では「藁」を見かけなくなったが、それでもお正月になると注連飾りなどで、藁に接する機会がある。
注連縄を作るために、農家では秋の収穫の時に茎の長い青い藁を蓄えておくという。
藁(わら)とは稲の米をとったあとに残る葉や茎の部分の乾燥したものを言い、古来より、藁は日本人の衣食住の全てを、その温もりで包んできた。
その水田や藁葺(わらぶき)屋根は、安らぎを感じる日本の原風景でもあろう。
藁葺屋根をはじめとして、日本全土で受け継がれてきた藁細工には草履(ぞうり)、草鞋(わらじ)、俵(たわら)、蓑(みの)、雪長靴 お櫃(ひつ)などの各種保温材、そして藁人形など様々な種類があり、それらは地域によっても形が異なるが。
鰹(かつお)どころ土佐では、タタキ造りに [藁焼き] が一番とされ、藁は火力が強く、しかも藁の燃える時の香りはより一層、鰹の風味を引き立たるという。
藁は筒状で中が空洞になっているので燃え易く、藁の強い炎は鮮度のよさを示す「鰹の肉色」を損なう事無く、表面のみを瞬時に焼き上げ、藁が燃える時に発する「けむり」や「におい」には、魚の脂の酸化を防止し、尚且つ、殺菌効果のある成分「フェノール類」が含まれているという。
又、茹でた大豆を藁づとに包み、藁についている納豆菌で自然発酵させたものが納豆である。
最近でも季節になると報じられて見られるのが、風物詩ともいえる金沢・「兼六園」の藁縄による雪釣りの風景である。
芯柱と呼ばれる棒を立てて、縄を渡す「りんご吊り」というらしい、芯柱は高いもので16mにも及ぶと言う。
藁は、我々現代人が考えている以上に強いといい、湿れば伸び、乾くと縮む性質がある。
この性質を上手に利用したのが藁で編んだ「縄」である、縄で物を縛る時(祭屋台など・・)、湿らして縛ると後に乾く時にきつく締まるのである。
藁といえば幼少だった頃、故郷田舎で牛舎の藁小屋で、藁まみれになって遊んだのを思い出す。
日本人と藁は、今でも切っても切れない関係に有るのである。
藁は単に米をとった後の残り物などではない・・、!
燃料であり、様々な生活の道具を作る素材であり、新たに息を吹き込まれるべきものである。
今、日本人の生活からどんどん失われようとしているものが多数あるようで、藁文化もその一つであろう。
先人達の暮らしを知って、それらを残し、更に回帰・復古的にも行使、実施してゆくことは、環境問題にも一役かうかもしれない。
最近では藁が貴重なものとして取扱われる傾向にあるという。
特に、或る研究機関は「バイオマスエタノール」(バイオマスとは生物から発生できるエネルギー量で、これをエタノールに変換し、内燃機関の燃料としての利用)の製造実験も発表されている
ところで、都会では米が白い状態のまま田んぼに出来ると思っている子供達がいるという。
そして、米のとぎ方も知らない若い母親もいるという。
冗談のようで何とも切なく悲しいな話である。
「故郷は遠きにありて思うもの」も結構だが、米のできる日本の田舎、田園、故郷、古里をもっと知らなければならない。
次回は、「出雲大社・社殿」
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祝い・・!! 平泉地方が世界文化遺産に決定。(2011年6月)
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