2011年6月16日木曜日

日本周遊紀行(141)川内 「新田神社」

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 日本周遊紀行(141)川内 「新田神社」   、





写真:薩摩一宮「新田神社」



隣接する「可愛陵墓」




新田神社の祭神・瓊瓊杵命(ニニギノミコト)とは・・?

夕べは久しくマイカーでの泊まりとなった。 
波の音を子守唄代わりに、「道の駅・阿久根」での休泊であった。

駅は阿久根の国道3号線沿いにあり、周辺は阿久根県立自然公園、東シナ海を望めるすばらしい景観の場所である。 
夜明け前の三時半頃小用で表へ出ると煌く星が輝いていて、今日も好天気を約束してくれる。何処へ向かうのであろうか、ざわつく渚の黒い彼方に仄かな(ほのかな)光が航行している。 
時折、道端をガ-ッと音を発てて大型車が走り抜け、フッと現実に戻される。
一寝入りして6時前には目が覚めてしまった、清々しい海の香を嗅ぎながら出発である。
東シナ海の波濤と西方の砂浜の渚が対照的で良い、砂浜海岸から外れると今度は岩場の海岸連続する。
この一角に「人形岩」という奇岩もあり、夕日が東シナ海に落ちていく時のシルエットは,絶景といわれている。海はあくまでも透明なエメラルド色で、実に綺麗であった。



内陸に向かって間もなく川内である。 

川内と書いてカワウチではなく“センダイ”と読むらしい。 
ニニギノミコト」がこの地に皇居を定めるにあたり、千の台を作るように命じたという故事によるとされているとか。 

古来は「仙台」、「千代」とも書かれたらしいが、現在の「川内」が定着したのは江戸時代中期以降であり、これは川内川と高城川の内側という意味でもあるという。



その川内市街は未だ朝靄の中にあった。
肥薩おれんじ鉄道の「上川内駅」の辺りは川内川と高城川が合流する扇状地に開けた地柄であり、ここに、こんもりと新緑に囲まれた亀山或いは亀神山という小山があり、こちらには「新田神社」という立派な社が鎮座していた。 

通常、我々東国の人々は鎌倉時代末期、北条・鎌倉幕府を終焉に追い込んだ上野国(こうずけのくに:上州)の御家人・新田義貞(にった よしさだ)を思い起こすのであるが、特にこの新田氏とは関係はなさそうで、こちらは新田:しんでんの意味らしく、更に由緒と歴史が刻まれた神社であった。 


新田神社は神亀山(高さ70m)の山頂にあって、「ニニギノミコト」を祀る神社であり、嘗て、薩摩国・一の宮として呼ばれた風格を今でも充分に残している。 
そして隣接して「可愛山陵」(えのさんりょう)という「神代三山陵」の一つが祀られている。

この山稜は明治7年7月にニニギノミコトの墳墓と指定され、宮内庁直轄で管理されているという。 
普通、山稜というと山の稜線、山脈を表し、単に稜というと丘を表す。
ここでの「」又は山稜は古くは「ミサザキ」(古代・平安期の頃まで)といって、天皇・皇后・皇太后・太皇太后などの墓所を意味する。 



社殿に上る石段の途中には御神木のクスなど緑が茂り、緑陰をつくっている。
新田神社は、今の平成・今上天皇と美智子妃殿下が結婚の報告と御参りのために訪れた神社でもあり、時の慶応大学学長であった今上天皇の皇太子時代の師父である小泉信三氏が日本の歴史を学び、訪問を勧めたという神社山稜でもある。 

その御蔭と御利益で美智子妃殿下は2人の男子と1人の女子を授かったとされている。 
今の皇太子と雅子妃殿下が二人で参拝されたら、もしかしたら後継の男子が授かり、幸せが起こるかも知れない・・?!。

日本はそういう神道の歴史と伝統を内包している国なのである。
新田神社や山稜は、日本の最初の神である「ニニギノミコト」を祭ってあり、お妃(キサキ)はコノハナサクヤ姫(富士山の霊神、浅間神社の主神)で、富士山の頂上に祭られている女神でもある。



ところで、「ニニギノミコト」というのは、日本の古代史や神話伝説に興味のある方々は当然存知よりであろうが、我々、浅学の一般庶民にはチョット聞きなれない神ではなかろうか・・?、
アマテラスやオオクニヌシ、山彦や海彦という名は神話でもお馴染みであるが。

しかし、ニニギというのは日本国土へ最初に降りてこられた天下人(・・?神)であり、稲作を拓いた神でもあり、何より歴代天皇の古祖とされているのである。
伊勢神宮に祀られているのがアマテラスで天皇の皇祖とされているが、アマテラスは神話上でも天上の神であり、実質、天下に降りてこられて日本の国を形造ったのはニニギなのである。

尚且つ、天皇の古祖でもあるので、日本人には最も尊崇されて然るべき神なのである。

古事記によると「ニニギノミコト」は皇室の祖先である天照大神・「アマテラスオオミカミ」の孫で、この国を豊かに治められるために地上に遣わされたとされている。 
このニニギノミコトという神さまの本名がこれがまた長く、正式には「天邇岐志国邇岐志天津日高日子番能瓊瓊杵命」(アメニギシクニニギシアマツヒコヒコホノニニギノミコト)という。 

ニギシというのは豊かの意味で、天地の栄える様をあらわし、アマツヒコは日が空高く輝く意味、ヒコは神の子をあらわす名。ニニは丹にしてかつ赤し、は男子のことで、わかりやすく言えば“ 稲穂が豊かに実る国の壮健なる男子 ”というのが命名の由来という。 
皇室の皇統としての男子誕生を祈願する理由がここにある。


ニニギノミコトは、アマテラスオオミカミより高天原の稲を授かり葦原中国に住む人々、つまり日の本の人々の食べ物にするように命じた。
つまり我々の祖先は稲作の起源を天孫降臨の神話によって語り継がれ、ここからも稲が日本人にとっていかに大切で神聖な食物であるかが伺えるのである。 
新田神社の「新田」という名前には、ニニギノミコトが川内の地に川内川から水を引いて新し
く田んぼをつくったという意味がこめられているといわれる。


可愛山陵(えのさんりょう)はニニギの霊が眠る墓所である。 

古事記の「天孫降臨」の項によれば『 ここに天津日子番能迩迩藝命に詔りたまひて、天の石位(いはくら)を離れ、天の八重たな雲を押し分けて、イツのチワキチワキて、天の浮橋にウキジマリタタシテて、竺紫の日向の高千穗のクジフルタケに天降り坐した 』、
つまり、「御世、天照大神(女性)は瓊瓊杵(ニニギ)尊(孫)に地上世界を治めるように命じるとともに稲穂を与えた。
瓊瓊杵尊は多くの部下を引き連れて高千穂峰に降りた。
そして笠沙に宮を置いた」とある。そして、その後は尊は千個の岩(千台=川内)を使って可愛宮を造り死んだ後、この頂に祀られたのである。


川内地方の言い伝えによれば、ニニギが高天原から高千穂に降臨したの後、千台(千個の城壁)を築いて皇居を造営された事から川内(せんだい)という地名が起こったとも言われている。 
山稜はこの亀山の中央の一番高い所に方形墳の形で造営されている。 
すなわちこの地が「可愛山陵」であり、御陵と壁一重の近くに尊(ミコト)の神霊を祀る新田神社がある。 

更に尊の皇霊は、高千穂の麓の霧島神宮にも祀られている。


一方、天孫降臨に関しては、日向(宮崎県)の人々から反論があるともいわれる。
古事記によると、天孫(ニニギ)は高天ヶ原より「筑紫の日向の高千穂のくしふる峰」に降りてこられたと記され、日本書紀にはニニギノミコトが亡くなられたとき「筑紫の日向の可愛の山陵に葬りまつる」と記されていると言う。 

初代・神武天皇の五代前の先祖というニニギノミコトは、日本が歴史を刻みはじめる前の神話の世界の神であり、御陵墓の存在は「伝説」の域を出ないものの、日向国臼杵郡長井村俵野門(現、北川町南部地域)に古墳があって、これがニニギノミコトお御陵に当るのは明らかであるというのである。 

この地は以前は可愛村といい村の産土神(うぶすのかみ)である「可愛神社」(えのじんじゃ) には昔からニニギを祭っているというが・・?。 
可愛村は今は俵野門と合併して北川町となり存在していない。 

次回、皇祖・「神代三代



『九州紀行』は以下にも記載してます(主に写真主体)
九州紀行」; http://orimasa2009.web.fc2.com/kyusyu.htm
九州紀行」; http://sky.geocities.jp/orimasa2010/
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