2012年3月12日月曜日

日本周遊紀行(211) 金沢 「茶屋街」

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「この人生は旅である。その旅は片道切符の旅である。往きはあるが帰りはない」   <吉川 英治>
   

 日本周遊紀行(211) 金沢 「茶屋街」   、




東茶屋街
写真;東茶屋街の豪奢な一角


兼六園、金沢城址の北方、浅野川の辺に「ひがし茶屋街」があった。 
石畳の路地に、古い佇まいの町屋が並ぶ、何とも雰囲気のある通りである。 

今はまだ、お天とう様が真上にある時間帯なので、そこはシーンと静まり返っているが、夕闇とともに格子のある家々から行灯の灯が灯り、立ち並ぶ間からは三味や太鼓、笛などの音が聞こえてくる。 

金沢市は京都同様、戦時に空襲の被害を受けていない希少な都市であり、随所に城下町時代の古い姿を残し、訪れる人が絶えないという。 
金沢城を中心に渦巻状に城下町が形成され、南北に北国街道が通過し、その市中に浅野川と犀川が流れている。 
その東岸の東山地区には数箇所に分かれて残存する茶屋街が在り、その中でも最大規模と言われるのが「東茶屋街」であり、近年、国の「重要伝統的建造物群保存地区」にも指定されている。


文政3(1820)年に金沢城の東の廓として設置されて以来、この界隈には町人、文化人たちの集う場となり、遊興の場であった。 
石畳通りの一本道は混じり気のない全くの茶屋建築で統一されていて、当時、町人たちは二階建築が禁止されていた中で、特別に許可されていたため総二階で統一された美観と迫力がある。 

比すれば京都・祇園や飛騨・高山の古い町並み(三之町)を想起させる風情でもある。 
特に裏路地に入るとかつての茶屋街は江戸期のそのままの風情を味わえるという。


御茶屋として現在は8軒が実際に営業しているらしい。 
京の祇園や先斗町(ぽんとちょう)の如く、やはり 、一見さん(いちげんさん)はお断りだとされ、これは京都の町屋の商法・・?と合い通じるのである。 

一見さんとは、お馴染みさん・ご贔屓(ひいき)さんと言われる顧客を大事にし、大切な時間を割いて来てもらったお客に楽しい一時を過ごしてもらうよう最大限の努力をする。 
そして、細くても永い付き合いをする為の茶屋独特の接客法で、無論、支払いの仕方も特別にあるいう。


現在、金沢市内の三箇所の茶屋街には芸妓は50名、その内、この東茶屋街では20名いるそうで、年齢は20代初めから70代後半の年増さんも居るようである。  
芸妓は、芸を売るので只年齢が若ければいいと言うものでもなく、やはり芸がしっかりしていることが大切で、芸妓の仕事はお酌をし踊り、三味線、笛、太鼓などを鳴らし、飽くまで客を楽しませるのである。

席料は「一席二本」といい、一本は45分、これは線香の燃え尽きる時間だそうで、普通一席は13万から15万が相場といい、人数に関係なく時間の値段であり、大勢で割り勘をすれば結構お安い・・?とも言える。

京では、店によっては店に入る時「お帰りやす」と迎えてくれて、店を出る時「いっといやす」て云って見送ってくれるという。 
まるで我が家の様な持成し(もてなし)であるが、此方(こちら)の金沢の方は如何であろうか・・?。


すぐ近くに金沢が生んだ文豪・泉鏡花の生家跡があり、平成11年に記念館として開館し、遺品の数々を展示しているという。 
全く人気のない寂とした東茶屋町風情を、数枚の写真に捉えて後にした。


次回は「能登





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