2010年3月14日日曜日

日本周遊紀行(63)根室 「珍客と歯舞」

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日本周遊紀行(63)根室 「珍客と歯舞」


根室に「歯舞」・・?、

根室市街に入った。 
言わずと知れた根室は「北方領土」の街である。

先にも記したが北方領土とは、北方四島のことで択捉島(えとろふとう)、国後島(くなしりとう)、色丹島(しこたんとう)、歯舞諸島(はぼまいしょとう)のことである。 
地理上では半島先端の納沙布岬から歯舞諸島の一島「貝殻島」まで僅か4kmたらず、「水晶島」まで10km少々でいずれも指呼の間である。

根室市役所の部署に対策協議会や対策本部が置かれ、返還運動の様々な活動を行っていることは周知であるが、根室を訪れ、北方領土を視察する役人、政府要人、担当大臣等のお歴々を接待し、案内し、時には公演や懇談をしてもらうらしい。 

昨今発足した省庁の内、その環境省の中に「北方担当」というセクションが有り環境大臣が兼ねているようだが、北方領土返還問題が環境省の一部というのは些か解せなくもない、北方領土を環境保護の対象の島にでもしようというのか・・?、
本来取り扱うべき省庁は外務省ではないのか・・??。(尚、最近、中央省庁再編に伴う内閣府設置法の施行により「特命担当大臣」というのが法制化され、職位化されて国務大臣をもって充てられている。北方領土関係では「沖縄及び北方対策担当」いう名称になっている。)

現職の小泉総理は9月(平成16年)に巡視船にて北方領土海域を視察している、歴代総理で海上視察は初めてだとか。 しかし、一向に進展していないのである、中央政府としては、もっと強く捉えるべきと思うのだが。

産経新聞の「正論」欄(平成16年秋-伊藤憲一氏)によると、「政府は歴史を踏まえた対露大戦略を・・、」と題して、『日本の千島と樺太の一部放棄を定めたサンフランシスコ平和条約第二条C項は、ソ連(旧ソ連・現ロシア)の署名拒否によって死文化しており、日露間において択捉、国後、色丹、歯舞だけでなく千島、南樺太についても、領土問題は解決していない。 日本はこの立場を盾にロシアに国境線の画定を迫るべきだ・・、』と、述べている。 
大賛成である!!、 強行で来るものは、強圧で跳ね返すべし、これが外交の基本ではないか。

突飛な私事ながら・・、
北方領土返還と悪の枢軸といわれる北朝鮮の大量誘拐事件(金体制下での拉致事件=金正日政権崩壊)の解決と、どちらが先に解決するか、尚且つ小生の寿命(現66歳)と合わせて三者何れが速いかを見守っている次第である。



昭和初期の近年、根室にチョットした素敵な出来事が有った。

昭和6年8月、快晴の朝の根室港にリンドバーグ夫妻の乗った飛行機・シリウス号が着水したという。リンドバーグ(アメリカ人)は1926(昭和元年)年、ニューヨークとパリ間の大西洋横断無着陸飛行を33時間29分かかって成功したことで世界的に有名になった人物である。 このときの様子は「翼よあれがパリの灯だ」という映画にもななった。

1931年航空路調査のため、新婚間もないアン夫人と日本を訪れる際、千島を飛んでまず根室へきたのである。 リンドバーグ夫妻が泊まったのは二美喜旅館ということで、外国夫妻を人目見ようと押しかけた人々は当時の絵葉書にもなったという。 根室へは、落石無線局(根室の南側の港)と交信しながら到着したといい、リンドバーグ夫妻の大歓迎式は花咲小学校を会場にして盛大に行われたという。その後、落石無線局をも訪問している。

二美喜旅館に泊ったアン夫人は、根室の朝の様子を次のように記しているのが面白い・・。『旅館で印象的だったのは、朝、多くの人の行き交う下駄の音で目がさめたことでした。 小石を敷きつめた道を、みんな木の下駄をカラカラ引きずって行きます。それは手をたたくような、なんともいえない音楽的な音がするのです、』

その2日後、リンドバーグ夫妻は茨城県の霞ケ浦をめざして飛び立ち、そして東京、大阪、福岡をへて中国へ出向いている。
後年、大西洋単独無着陸飛行について書いた「The Spirit of St. Louis」(スピリット・セントルイス)を出版し、これにより1954年のピュリッツァー賞を受し、晩年は、妻アンと共にハワイのマウイ島に住んだという。 
リンドバーグはこの時以降、自然環境(環境保護、保全)に力を注ぐようになり、多額の資金を寄付しながらマウイ島にて死去している、享年72であったとか。



国道44から道道35(根室半島線)を経て納沙布岬へ向かう。

はじめ北側から行こうと思ったが勘違いで南周りになってしまったようで、こちら側は太平洋岸である。 
こちらの沿岸には幾つかの漁港が点在する。 
落石、花咲、友知、歯舞漁港等、御存知「花咲カニ」はこの港の名を付けたものらしい。

花咲ガニ」は北海道の東部にだけ生息する珍しい蟹で、現在は根室でしか水揚げされることのない貴重な蟹である。 しかも年々、入荷量が少なくなっていると。 
花咲ガニの特徴は、ゴツゴツした外観とは異なり、身は柔らかく、独特の甘さを多く含んだ濃厚な風味で、カニ仲間ではNo1と言わしめている・・?、また、出汁が多く甲羅はダシをとって雑炊などにする。

花咲港はまた海上保安庁の基地になっていて、北方領土の視察はこの港より発っしている。 ロシア船が入港する港でもある。



根室市域であるこちらの沿岸に歯舞地区がある。  

因みに、北方領土に歯舞諸島があるが、島の名称で「歯舞島」というのは無い。
歯舞諸島はここの歯舞村の一部地域であり、村の地名から付けられた「名」だという。 
歯舞と名前の付いた看板の前で写真を撮って、首都圏の人に「北方四島の歯舞諸島へ行って来た」と写真を見せ、戯れ事を言ったら面白かろうな、などと思ったが。 

歯舞海域は、わが国有数の昆布の産地どという。
大洋の恵みが肉厚の昆布を育み、身にぎっしりと詰まった味わいは数ある昆布のなかでも特に上質品とされているとか。 「昆布」といってもその種類は様々で、利尻や日高など特定の地方で採取されるものも有名であるが、歯舞で水揚げされる昆布は主に、「なが昆布」、「あつば昆布」、「猫足昆布」などと呼ばれるもので、豊潤な太平洋と厳寒な風土、さらに独自の潮流の影響から発育が非常によく、ビタミン・ミネラル・ヨードをたっぷり含んだ奥深い味わいが特徴となっているという。 

蛇足ながら、この辺りの昆布は旨味成分である「マンニット」(表面に付着する白い粉)と言われる成分が豊富で、干し上がった製品を一目見ただけでその質の高さが判るという。 
厚岸から根室半島に至るまで太平洋の「うねり」が大きく、そのうねりも歯舞漁港付近から納沙布岬にかけて比較的小さくなると言われる。 
海草が密集しているのはこのあたりが理由らしい。


次回は、 根室「納沙布岬」(尚、「風連湖、春国岱」については後の「観光・温泉」の項で述べます)



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